未来を予測するという占い。水晶占いや手相、おみくじ、タロット、星座占いなど、色々なものがあります。でも、これら占いについて、みんさんは、様々な意見があるようです。「占いなんて迷信、当たるわけないでしょ。」、「よく当たる占いのお店を知りたいです。」、「こっちの占いは統計学に基づいてるから、まだ信用できる」などなど。
これらを見て思うことは、みなさん、占いが大好きということですね(笑)みんな、心の中では、どこか胡散臭いと思っていると思います。だからこそ、「よくあたる占い」に、心を魅了されるのです。これは、当たる当たらないはともかく、未来を予測するという部分に、誰もが少なからず心惹かれる部分があるということだと思います。なのでこれを「占いなんて迷信」で切り捨ててしまうのは、なんかもったいないと思うんですよね。
そこで、タロット占いの当たるとは?当たらないとは?という事に焦点を当てて、考えてみたいと思います。
タロット占いは、当たるのか?
タロット占い懐疑派の意見として、よくこんな言葉を耳にします。
- 本当に未来がわかるなら、毎回同じカードが出てこないとおかしい
- 複数の占い師が同じ占いをした時、全員同じカードが出ないとおかしい
というものです。これは確かにその通りでしょう。でも、「だから当たらない」という結論に、少し違和感を覚えます。絶対に当たらないのであれば、
- 同じ質問を100回占って、全てハズレの回答が出なければならない
タロット占いとは、どういう物でしょうか?無作為に引いて出てくる複数枚のカード。これは、完全ランダムです。ですので、この時の占い師の解釈が「当たっている場合もあれば、外れている場合もある」というのが、本質であると考えます。
でも、「よく当たる」や「全くあてにならない」と、各個人で意見が色々と異なるようです。この差は一体なんでしょうか?
天気予報の話
とある日の天気予報です。
- 「今日は午前中は晴れますが、午後から曇るでしょう。」
そして実際のところ、午前中が晴れ。午後も晴れだったとします。ここで皆さんはどう思われるでしょうか?「ああ、曇らなかったな」と少し思う程度で、天気予報が外れた事に、特に反応する人はいないのではないでしょうか?
これがもし、
- 「今日は1日中晴れでしょう」
という予報だったとしましょう。でも実際のところ、午前は晴れたが、午後は大雨に見舞われた。こんな時は、「天気予報外れたよ、あてにならないな」と、強く思われる方もいるのではないでしょうか?何故なら、傘を持っていかなくて雨に濡れてしまった、お天気に左右される仕事が進まなくなった、雨宿りで時間に間に合わなくなった、など、雨の場合は、マイナス面が多く付きまとうからです。
つまり人間とは、「自分が損したことを重く感じる」という心理が働く生き物といえるのではないでしょうか?
ですので、結果がランダムなタロット占いにおいて、成功するか?失敗するか?を見るのは、中々得ではないかもしれません。
「今日、彼に告白したら、成功しますか?」という質問よりも、「彼とお付き合いするには、どういった事を心掛けたらいいですか?」。
「今日、素敵な出会いがあるお店はどこですか?」という質問よりも、「今日のラッキーフードは唐揚げ定食」とかの方が、人に対して、より不利益感を与えなくて済むのではないでしょうか?
もう少し突っ込んで言うと、「人生の大きな決め事は、占いに委ねない」のが重要と思います。
トランプの話
仮に、トランプをよくシャッフルして、10枚、ランダムで並べてみたとします。さて、この10枚、どんなカードがどんな風に並んでいるでしょうか?4つのマーク(ハート、スペード、ダイヤ、クラブ)が、順番に出てくるでしょうか?それとも、エースからキングまでの数字が、ダブらないで1回ずつでてくるでしょうか?いや、そんなことは無いはずで、引いた10枚には、何らかの偏りが見えてくると思います。その偏りとは、
- 各マークどれか1つ(または複数)の傾向が高い
- 黒(または赤)の傾向が高い
- 偶数(または奇数)の傾向が高い
- 少ない数(または高い、中間)の傾向が高い
- ある特定の同じ数の傾向が高い
- 数字が、小から順番に大(または逆)の傾向がある
など、色々挙げられると思います。仮にカードの偏りがこの6種類だけしかないと仮定して、「未来が2番になる人に、2番の占い結果を出せた」なら、その占いは、当たったと言えるでしょう。当然それ以外ならハズレ。
これが、2番、3番、6番の、3つの内容をすべて満たしている(マークは黒偏重で、偶数が多く、しかも、順番にならんでるっぽい)未来の人には、当然ながら、「その占いは当たった」と言われる確率が多くなるでしょう。
さらに言うなれば、この6種類の偏りは、偏りの出やすさの難易度もそれぞれ違うと思います。難易度の低い物に、他の難易度も内包するようにするといいのかもしれません。これを天気予報的に言えば、
- 「晴れ後曇り、場合によってはゲリラ豪雨に注意した方がよさそうです。」
もっと露骨にするなら、
- 「晴れ後曇り、時々雨、所によっては雷と突風、山際ではゲリラ豪雨にも注意しましょう。」
手品師の話
「種も仕掛けもありません!」が常用句の手品も、実際には、種も仕掛けもありますよね。でも僕らは、それを知ったうえで、楽しみながらそれを見ています。しかしながら、観客に種や仕掛けを悟られないように、手品と言う不思議現象を楽しませるためには、手品の技術や、トリックの考案、自分を魅せるテクニックなど、一朝一夕では成しえない、努力の結果、そういうことが実現できているのだと思います。
占いも同じだと思います。お客さんが「当たった!」と思わせるためには、色々と研究する必要もありますし、プロとしてやっていくのであれば、コールドリーディングなどの尋問系のテクニックや、バーナム効果、確証バイアスなど、心理学のマスターも必要になるでしょう。
その上で、お客様に気持ちよくなって帰ってもらえたらいいですね。
最後に
占いは、昔から我々の身近にあるもので、とても馴染み深いものといえるでしょう。人間とは、「未来を予測するという部分に、誰もが少なからず心惹かれる部分がある」と思うので、インチキだなんだと言っても、みんなからどこかで、気にしている部分はあると思うのです。
当たるか?当たらないか?で一喜一憂せずに、楽しむものになったらいいですね。
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